消化器内視鏡専門医
消化器におけるがんの早期発見!国内で増加する潰瘍性大腸炎にも内視鏡検査が有効です。
2017/05/26
かずよし内科クリニック
鈴木 一義 院長
Kazuyosi Suzuki
- 医学博士
- 日本内科学会 認定内科医
- 日本消化器病学会 専門医
- 日本消化器内視鏡学会 専門医
- 日本肝臓学会 専門医
- 経歴
- 2001年 獨協医科大学卒 獨協医科大学越谷病院消化器内科入局
- 2014年 獨協医科大学越谷病院消化器内科 講師
- ~現在 獨協医科大学越谷病院消化器内科 非常勤講師
- 2016年10月 かずよし内科クリニック開院
生活習慣病、がん、消化器疾患の早期発見・早期治療をおこなうクリニック
私はこれまで培ってきた内科医としての経験をもとに、高血圧や糖尿病といった生活習慣病や食道がん、胃がん、大腸がん、肝臓がん、胃潰瘍や逆流性食道炎といった消化器疾患などの早期発見・早期治療、さらに予防のサポートをおこなうためにこのクリニックを開院致しました。また消化器内視鏡専門医として、苦痛の少ない安心で確実な内視鏡検査と治療をおこなっています。当クリニックの方針は何ごとも患者さんにやさしく、わかりやすく説明し、十分なコミュニケーションのもと信頼関係を築き、患者さんと一緒に医療に取り組むことを目指しています。「患者さんの立場に立った医療」をモットーに優しさや温もりのある医療サービスを実践していきます。
クリニックで安心して受けていただける内視鏡の検査と治療
内視鏡検査といえば、大きな総合病院でやるもの。そんなふうに考えていらっしゃる方は今も多いのではないでしょうか。食道、胃、十二指腸を検査する上部内視鏡(胃カメラ)はもちろん、大腸を検査する下部内視鏡(大腸カメラ)も今ではクリニックで広く行われています。大きなポリープの切除やがんの摘出など、総合病院でしかできない内視鏡の治療もありますが、がんの早期発見や、さまざまな消化器疾患の診断など、検査の正確性については、クリニックも総合病院も違いはありません。1日に何十という症例を内視鏡検査する総合病院よりも、より一人ひとりの患者さんにじっくり向き合えるクリニックでの内視鏡検査のほうが、患者さんの安心感や満足度も高いはずです。もし、健診などの結果から内視鏡検査をすすめられたり、何らかの自覚症状や健康に対する不安から「内視鏡検査を受けるべきだろうか」と考えられたりしたら、身近なクリニックにまずは相談することをおすすめします。日本消化器内視鏡学会専門医の資格は、内視鏡に関する十分な知識と経験、検査実績を持った医師に与えられています。内視鏡検査を目的に受診される際には、この点を確認されるとさらに安心です。
クリニックでできるさまざまな内視鏡治療
内視鏡という医療機器の優れた点は、検査を行うのと同時に治療もできることです。内視鏡の先端部には鉗子(かんし)やスネアと呼ばれる手術のための道具が挿入できるようになっており、ものを掴んだり、切除したり、さまざまな治療をおこなうことが可能です。上部内視鏡で治療を行う疾患の一つが胃アニサキス症の治療です。これは開院間もない当クリニックでも既に数例の治療実績があり、実は思いのほかよくある疾患なのです。アニサキスとは20mm前後の大きさの寄生虫で、貝や魚などに寄生しています。「刺身を食べた後、激しい胃痛に襲われた」などというときは、この胃アニサキス症を疑い、緊急で上部内視鏡検査をおこないます。小さな寄生虫ではありますが胃の粘膜に深く食らいついていて、激しい痛みを患者さんに与えます。胃の中にはこのアニサキスがいそうな場所があり、専門医にとって発見は比較的容易です。アニサキスの治療はこの内視鏡による治療をおいて他にはなく、内視鏡の鉗子を用いてアニサキスを摘出すると、痛みも急速におさまっていきます。下部内視鏡ではポリープ切除がおこなわれるのはご存知の方も多いでしょう。内視鏡検査でポリープが見つかった場合、そのまま摘出をおこなう場合もあります。最新の内視鏡は、さまざまなポリープの形状に対応できる処置具が用意されていて幅広い治療が可能ですが、クリニックで切除が可能なポリープの大きさは10mm程度までで、それ以上の場合は総合病院での治療をすすめています。これは10mm以上のポリープを切除した場合には出血等のリスクがやや高くなり、短期入院での治療が望ましいからです。10mm以下のポリープの場合はクリニックで、日帰りでの切除が可能です。
理想的には年に1度の定期的な内視鏡検査を
内視鏡検査は苦しい。そんな先入観から、内視鏡検査をすすめられても「何か症状が出たら考えます」とおっしゃる患者さんは今も多くいらっしゃいます。しかし、消化器のがんは、症状が出はじめるときにはかなり進行した状態だといえます。胃や大腸にがんが見つかっても、早期で小さく、内視鏡による治療だけですんだという方は、検査で偶然に見つかったか、定期的な内視鏡検査で見つかったかがほとんどです。内視鏡以外にもレントゲンやCTなどの検査方法はありますが、消化管にできた極少のがんを発見するには内視鏡検査が一番の方法です。その他の検査方法で見つかるほどの大きさになっているということは、がんがある程度進行してしまっているといえるのです。内視鏡の機器は近年飛躍的に進歩していて、以前と比べると細径化が進み患者さんが感じる苦痛は随分少なくなってきています。専門医による手技や鎮静の方法によっても苦痛に差があり、患者さんに合った内視鏡専門医を見つけることで苦痛は軽減することもできます。もし、これまで体験した内視鏡検査が苦しくてとてもいやだったら、他の医師の検査を受けてみるのもいいでしょう。あなたに本当に合った内視鏡専門医を見つけ、あなたの身近なかかりつけ医として、定期的に内視鏡検査を受けられることが、がんなど危険な病気の早期発見の最も確実な方法なのです。
専用検査室、リカバリールームを完備!安心してできる内視鏡検査
当クリニックでは現在月間50例ほどの内視鏡検査をおこなっていて、今後はさらに増えていく予定です。上部内視鏡は、最新型の経口タイプのものを用いて、広視野で解像度の高いスコープにより、精密な検査が可能です。経鼻型は経口型より細径のため、患者さんの苦痛が少ないといわれていますが、視野角や画質、内視鏡治療で使える鉗子類においてなど、経口型のほうが優れている面も多いです。当クリニックでの上部内視鏡検査では、ご要望があれば静脈注射による鎮静をおこなっていて、基本的に眠った状態で検査を受けていただいています。内視鏡検査の結果、異常が見つからなかった方であっても、定期的に検査を受けることが望ましいのですが、「内視鏡は苦しい、もう二度とやりたくない」と思われてしまっては、患者さんの将来のためになりません。ていねいな鎮静で、苦痛をほぼ感じずに検査を終えていただくのが当クリニックでの上部内視鏡検査のスタイルなのです。当クリニックでは、患者さんが落ち着いて検査を受けていただけるよう内視鏡専用の検査室を設け、鎮静の薬が覚めるまでしっかり休んでいただけるリカバリールームも用意しています。
「潰瘍性大腸炎」など下部内視鏡検査によって診断されるさまざまな疾患
当クリニックでの下部内視鏡検査は上部内視鏡と同様、ご要望の方は鎮静薬を使用します。事前に下剤を使用し、腸の中をきれいにしてから検査に臨んでいただきます。下部内視鏡のスコープの長さは1m程度で、大腸を折りたたむようにしながら奥まで見ていきます。検査時間は15分ほど。大腸に癒着があったり、腸に弾力がなく、スコープが上手く入っていかないときにはもう少し時間がかかってしまう場合もあります。下部内視鏡検査で発見される疾患はポリープやがんだけではなく、虚血性腸炎、クローン病や、近年増加傾向にあると報告されている潰瘍性大腸炎などです。中でも潰瘍性大腸炎は国内に17万人の患者さんがいるといわれており、厚生労働省の定める特定難治性疾患(いわゆる難病指定)の中で最も患者さんの多い病気だといわれています。この病気は完治することはなく、寛解と再燃を繰り返す事が多いのが特徴で、明確な原因はわかっていません。治療には内視鏡検査によって正確に病状を把握し、継続的な薬剤治療によって炎症を抑えこむ方法がとられます。しかし、この内科的治療で炎症のコントロールができない場合は、大腸の全摘出をおこなうこともあります。また潰瘍性大腸炎による炎症はがんの発症を招きやすいのも特徴です。日本人の食生活の変化や現代社会のストレスによって、これまであまりみられなかった病気の増加が目立っています。これら消化器に起こるさまざまな疾患の診断にも、内視鏡検査が積極的に用いられています。
下部内視鏡による大腸がんの発見
私は獨協医科大学出身で、現在も獨協医科大学越谷病院消化器内科の非常勤講師を勤めている関係性から、大学病院で対応しきれない患者さんの内視鏡検査をおこなうケースがよくあります。先日も、腹痛と吐き気で大学病院で受診され下部内視鏡検査の必要があると判断された患者さんが当クリニックにいらっしゃいました。大腸の内視鏡検査をおこなってみると、既に全周性のがんになっていて、通過障害がある状態。確認のために組織検査をおこないましたが、所見でほぼがんに間違いないと判断しすぐに病院へ再移送しました。現在は適切ながん治療がおこなわれています。大きな病院で何日も順番を待って内視鏡検査を受けるよりも、身近なクリニックで信頼できるかかりつけ医の検査を受けるほうが患者さん自身も安心です。はっきりと症状が現れる前に、「もしかしたら」と思ったら、迷わず私たちに相談してください。内視鏡で一歩でも早く異常が見つけられれば早期発見・早期治療につながりこれも患者さんにとってベストです。そして異常がなければ今の検査体制で考えられる最高の安心が得られるのです。